夏の冷房、冬の暖房──エアコンは年間を通じて私たちの暮らしに欠かせない家電のひとつです。
しかし、使用頻度が高くなるほど気になるのが「電気代」。特に古いエアコンを長年使っているご家庭では、「もしかして、新型に買い替えた方が安くなるのでは?」と感じたことがあるのではないでしょうか。
実は、新旧のエアコンでは年間の電気代に1万円以上の差が出ることも珍しくありません。省エネ性能の進化は目覚ましく、古いモデルを使い続けていると、知らず知らずのうちに“電気代ロス”が発生している可能性も…。
この記事では、エアコンの電気代の基本的な計算方法から、地域ごとの差、そして新旧モデルの年間コストを比較し、実際にどれほどの違いがあるのかを検証していきます。「電気代を節約したい」「買い替えのタイミングを見極めたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

使用量と金額のイメージがつかめないと節約しずらいですよね。
イメージできるように、わかりやすく解説していきます!
この記事は元通信インフラエンジニアで電気技術者の筆者が技術者視点で解説していきます。使用する料金シミュレーション等は妻であるFP(ファイナンシャルプランナー)監修のもと作成しています。
エアコンにかかる電気代の計算
多くの人がエアコンの電気代は高いというイメージを持っていると思いますが、どれくらいの時間使ったらいくらかかるのかを具体的に説明できる人は少ないと思います。
ここでは、電気料金の元となる消費電力の計算方法と、エアコン電気代の目安を説明していきます。これで、電気代のおおまかなイメージができるようになると思います。
エアコンの1時間あたりの電気代計算式
エアコンの1時間あたりの電気代は下記の計算式で求められます。
1時間あたりの電気代 = 消費電力(W) ÷ 1,000 × 31円/kWh(平均的な電気料金目安単価)
電気料金目安単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している「新電力料金目安単価」による31円/kWhを用いています。ただ、電気料金の目安単価は契約している電力会社によって異なります。エアコンの消費電力はエアコン本体のラベルや取扱説明書に記載されています。どちらも分からない場合は本体に記載されている型式をネットで検索すれば確認できるとおもいます。
では、容量別エアコン(冷房使用時)の電気代を見てみましょう。
| 冷却能力(kW) | 冷房時消費電力※1 | 1時間あたりの電気代 | 1カ月あたりの電気代※2 |
| 6畳用(2.2kW) | 470W | 14.6円 | 7,884円 |
| 8畳用(2.5kW) | 480W | 14.9円 | 8,046円 |
| 10畳用(2.8kW) | 560W | 17.4円 | 9,393円 |
| 12畳用(3.6kW) | 825W | 25.6円 | 13,842円 |
| 18畳用(5.6kW) | 1,720W | 53.3円 | 28,782円 |
参考:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版
当然ですが冷却能力が上がるにつれて使用料金も大きく上がっていきます。特に容量の大きいエアコンを設置しているリビングなどは、設定温度や使用時間を意識するだけで節約効果は大きいと思います。
※1 冷房時消費電力は省エネ基準達成率100%のエアコンを対象とし抜粋しています。
※2 1カ月あたりの電気代は、1日18時間使用×30日で算出しています。
エアコンの1年間の目安電気代計算式

1年間の目安電気料金の計算には、期間消費電力量をもとに、1kWhあたり27円で算出します。
1年間の目安電気料金(円)= 期間消費電力量(kWh)× 27(円/kWh)
期間消費電力量とは、冷房期間消費電力量と暖房期間消費電力量の合計です。具体的にはJIS 9612:2013(ルームエアコンディショナー)に基づき各メーカーにより算出されています。
参考:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版
地域ごとによる電気料金の違い

寒暖差の大きい日本は地域によっても電気代はバラバラ。
地域でどれくらい差があるのか見ていきましょう。
日本は国土が縦に長いため年間平均気温が地域によって全く違います。例えば、2023年の年間平均気温は北海道が11℃、沖縄が24℃と13℃も差があります。
そのため寒冷地と温暖地ではエアコンの使用期間が異なるため、電気料金にも当然のように差が出てきます。その違いを補正するために前項で求めた式に地域別補正係数を掛ける事で地域差を補います。
| 地域 | 補正係数(冷房時) | 補正係数(暖房時) | 補正係数(通年) |
| 東京 | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
| 札幌 | 0.1 | 4.4 | 3.1 |
| 仙台 | 0.3 | 2.1 | 1.6 |
| 前橋 | 1.0 | 1.5 | 1.3 |
| 松本 | 0.5 | 2.8 | 2.1 |
| 名古屋 | 1.1 | 1.2 | 1.2 |
| 大阪 | 1.4 | 1.0 | 1.1 |
| 広島 | 1.2 | 1.1 | 1.1 |
| 福岡 | 1.1 | 0.9 | 1.0 |
| 熊本 | 1.3 | 1.0 | 1.1 |
| 鹿児島 | 1.4 | 0.6 | 0.9 |
| 那覇 | 2.0 | – | 0.6 |
データ出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版
東京を基準として考えた場合、札幌は年間の電気代が東京の3.1倍という事になり、沖縄は0.6倍に留まっている事から冷房よりも暖房の方が電気代がかかる事がわかります。
新・旧エアコンの電気代比較

近年のエアコンは低消費電力化、高効率化が進んでいますので数十年前と比べて格段に省エネになり節電効果も高く節約にもなります。逆に言えば、古い家電は現行品に比べて消費電力が高く非効率といえます。
10年前のモデルと比較

それでは新旧エアコンの電気代を比較してみましょう
新旧のエアコンとして、2024年式と2014年式を比較してみました。
| エアコン能力 | 期間消費電力(kWh) (2014年式) | 1年あたりの電気代 (2014年式) | 期間消費電力(kWh) (2024年式) | 1年あたり電気代 (2024年式) | 電気代差額 (2014年-2024年) |
| 6畳(2.2kW) | 760kWh | 20,520円 | 630kWh | 17,010円 | 3,510円 |
| 8畳(2.5kW) | 864kWh | 23,328円 | 717kWh | 19,359円 | 3,969円 |
| 10畳(2.8kW) | 967kWh | 26,109円 | 802kWh | 21,654円 | 4,455円 |
| 14畳(3.6kW) | 1,472kWh | 39,744円 | 1,032kWh | 27,864円 | 11,880円 |
| 18畳(5.6kW) | 2,244kWh | 60,588円 | 1,681kWh | 45,387円 | 15,201円 |
| 20畳(6.3kW) | 2,524kWh | 68,148円 | 1,953kWh | 52,731円 | 15,417円 |
2014年データ出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2014年版
2024年データ出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版
10年前のモデルと比較すると現行品はかなり低消費電力型だということがわかります。尚、比較しているモデルは省エネ基準達成率100%(多段階評価★5個中2個獲得の機種)です。
また、記載しているスペックは発売時のものであり、10年間使用していれば経年劣化により冷暖房能力は低下しますので、より消費電力が増え電気代も増す事になります。
エアコンの買い替えタイミング

エアコンの使用年数は長期化傾向にあり、平均で10~14年と言われています。価格はピンキリですが、お手頃価格だと畳数×1万円以下で入手できる機種もあります。とはいえ、高価な買い物ですから躊躇してしまいますよね。
「買い替える前に何かできることはないか?」「まだ動いているし…替えるのはもったいない」そう思う方もおおいはずです。
筆者の検証ですが、既存のエアコンを掃除すると電気代が11%節約できた事例もあります。エアコン買い替え以外の電気代節約法も紹介していますので参考にしてください。
ここでは買い替えのタイミングをピックアップしますので何点か該当する場合は買い替えを検討してみてください。
また、下記のような異常を察知した場合は即交換をおすすめします。
電気系統の異常の場合、最悪のケースで考えると発火する恐れもあります。異変を感じた場合は、運転を停止し製造メーカーまたは販売店へ問い合わせてください。
また、最近になって言われ始めた「エアコンの2027年問題」ってご存じですか?簡単に説明すると、省エネ基準が2027年に見直される事が決まっていて、それにより、現在発売されている低価格モデルは新省エネ基準に対応していないため市場から消えると言われているんです。
そのため、2027年からは新省エネ基準に該当した高機能エアコンが主流になると予測されるため、高額になる事と、その前年の2026年に需要が高まるため買いにくくなると予測されているんです。
2027年問題については、より詳しく解説した記事がありますので参考にしてください。
また、エアコンの購入を検討している方は、こちらの記事を参考にしてください。
▶ 【2025年版】失敗しない!おすすめエアコンの選び方と厳選モデル
▶ 2027年問題に間に合う!工事費込み10万円以下で買えるおすすめエアコン
まとめ
ここまで新・旧エアコンの比較について解説してきました。まとめるとこんな感じです。
今回の検証から、10年前のエアコンと比べて、最新モデルでは年間で1万円以上も電気代が安くなるという結果が明らかになりました。これは単なるスペックの違いではなく、日々の電気代に直結する大きな差です。
「まだ使えるから」と古いエアコンを使い続けていると、知らないうちに余分な電気代を払い続けている可能性もあります。エアコンの買い替えには初期費用がかかりますが、長い目で見れば省エネ性能の高い新型にすることで、結果的に家計の節約につながるのです。
特にエアコンの稼働時間が長くなる家庭では、買い替えによるコスト削減効果はより顕著になります。
これを機に、ご家庭のエアコンを見直してみてはいかがでしょうか?
また、家庭の消費電力No.2の冷蔵庫についても節約法をまとめた記事をかいていますので、ぜひ参考にしてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事が少しでも読者の方のお役に立てたなら幸いです



